分娩・産科手術|和歌山 JR六十谷駅すぐの産婦人科なら粉川レディスクリニック|無痛分娩 里帰り 帝王切開 ソフロロジー

医療法人 粉川レディースクリニック

分娩・産科手術

分娩について

あなたはどんな出産を期待していますか? 自分のマタニティライフ・出産育児をイメージできますか? 分娩の評価は、医学的に安産・難産かどうか、妊婦さん自身が満足・不満足か、出産当日の出来事だけがクローズアップされがちです。

しかし分娩とは、その尊い命を宿した日から(あるいはその前から)わが子をいとおしく思い、大切に育ててきた日々の結果であり、また感動の出産体験こそが愛情あふれる育児の出発点だと考えています。

妊娠・分娩はマラソンにたとえることができます。日々のトレーニング(日常生活)を充実させ、コースを下見(経過を理解)して、祝福にあふれたゴール(出産)をイメージしながら平常心でレース(出産当日)にのぞめば、安産は約束されたようなものです。逆に、分娩までの日々の過ごし方によっては、自分自身で難産の原因を作ってしまうこともあります。私たちは伴走車からできる限りのお手伝いをさせて頂きますが、走るのもゴールするのもあなた自身です。あなたにとって喜びと満足感にあふれたマタニティライフとなることをスタッフ一同祈念しております。

分娩に関する基本方針

  • 個人個人のバースプランを尊重した自律分娩を基本とする
  • 医学的適応と本人・家族の同意がそろった場合以外は陣痛促進剤を使用しない
  • 本人・家族の希望があれば、硬膜外麻酔による無痛分娩もできる限り対応する
  • 初産骨盤位・前回帝王切開の方は、原則的に帝王切開分娩をお勧めする
  • 母乳哺育を支援する
  • 立ち会い出産は歓迎する(帝王切開となった場合は立ち会いできません)

里帰り出産ご希望の方へ

里帰り分娩の申し込み

当院での里帰り分娩をご希望の皆様は、出産予定日が決まれば診療時間内にお電話で(073-461-0349)里帰り希望の旨、ご連絡ください。その際は、お名前、年齢、出産予定日、出産経験の有無、現住所、連絡できる電話番号、ご実家の情報(お名前、住所、連絡先)などがわかるようにお願いします。この状態で仮の分娩予約とさせて頂きます。

近隣の方は、20週頃までに一度診察をかねてご来院頂き、正式な分娩予約の手続きをお願いします。この際、予約金1万円をお預かりします。予約金は分娩入院時の会計の一部とさせて頂きます。遠方のためご本人の来院が困難なときは、20週頃までにご実家のご家族にお越し頂き分娩予約の手続きをお願い致します。

分娩予約のキャンセル

何らかの事情で里帰りの予定が変更となった場合は、キャンセルの連絡を必ずお願いします。

里帰りの時期

順調な経過なら妊娠34〜35週頃から当医院での妊婦健診を受診して頂きます。その際は紹介状(検査結果など)、母子手帳、健康保険証、産科医療補償制度の同意書などをお持ちください。
妊婦健診は予約診療とさせて頂きます。帰省の予定が決まればお電話で診療予約をお願いします。切迫早産や骨盤位、胎児発育遅延など妊婦健診で問題を指摘されている方は、妊娠30〜33週頃少し早めの里帰りをおすすめします。

ソフロロジー式分娩法

ソフロロジー式分娩教育は単に陣痛を乗り切るためにものではなく、妊娠・出産・育児を通して豊かな母性の醸成を進めてゆくものです。妊娠中から強い絆で結ばれた赤ちゃんと共に陣痛を乗り越え、ボンディング(出生直後のベビーを抱いてあげてください)を迎える自律分娩による感動に満ちた出産体験は、今後の育児・家族形成のスタートです。

特別難しい勉強が必要なわけではありません。妊娠中からご自宅でソフロロジー法のイメージ導入CDを聴きながら、かわいいベビーのこと・母親へと変わっていく自分の姿・祝福された安産を毎日イメージトレーニングしていきます。こうしてお産への不安や・恐怖心を取り去り、陣痛も大切な赤ちゃんに会うため必要なエネルギーであり、早く赤ちゃんに会うために陣痛が強くなるのが待ち遠しいと思うようになっていきます。

実際の出産は、ゆったりとした呼吸と全身をリラックスさせることで、軟産道の弛緩が得られ分娩時間の短縮・裂傷の減少が期待できます。呼吸法・リラックス法は、母親教室などで紹介していきますが、ヨーガとも関連のある東洋的なもので、違和感なく取り組めるものと思われます。興味のある方はお気軽に声をおかけください。

日本ソフロロジー研究会のホームページ

無痛分娩について

赤ちゃんが、狭い産道を通って生まれてくるには陣痛が必要です。陣痛は大切な赤ちゃんと出会うために必要なエネルギーであると同時に痛みやストレスを伴うため、お母さんと赤ちゃんが協力して乗り越える最初の試練です。多くの場合は陣痛が赤ちゃんに悪影響を及ぼすことはなく、自然分娩が可能です。

しかし、分娩に対する不安感や恐怖心・陣痛の痛みによるストレスが強いと、全身が緊張し産道が柔らかくなりにくいため、分娩が進みにくい場合があります。時には母体がパニック状態になり、過呼吸や過度の緊張状態に陥ると、子宮や胎盤の血流が減少し酸素が運ばれにくくなるため、赤ちゃんに悪影響を及ぼすこともあります。従って適切な方法で陣痛の痛みを軽減させることは、安全なお産を行うための一つの方法とも考えられます。また、高血圧・心疾患などの基礎疾患がある場合、その合併症の程度によっては医学的な適応として無痛分娩をお勧めすることもあります。

陣痛の痛みとは

これから出産を迎える皆様は、陣痛がどれくらい痛いのか?自分が耐えられるのか?心配されていることと思います。お産の始まりは生理痛程度の痛みが定期的にあるだけで、皆さんにこにこしながら入院されてきます。だんだん痛みは強くなり、残念ながら赤ちゃんが生まれる直前の痛みは、今まであなたが経験したどの痛みより強いものかもしれません。それでも痛みは1分以内に和らぎ、続いて2分程度の休憩がついています。これが繰り返されるためずっと痛みが続くわけではありません。

子宮が収縮するためお腹が痛み、赤ちゃんが降りてくると腰や骨盤、外陰部などに痛みは広がりますが、決して首も腕も足も痛くはなりません。何を当たり前のことを・・・と思うかもしれませんが、痛みでパニックになると1分間の痛みが強すぎて首や腕や足に力が入ってしまい、休憩のはずの2分の間も力が抜けない状態になってしまいます。こうなると“全身が痛い。ずっと痛い。”つらいお産になってしまいます。

また、子宮や腰や骨盤、外陰だけが痛いと説明しましたが、実は子宮や腰自体が痛みを感じるのではなく、脊髄という神経を通じて「痛みの信号」が脳に伝わり、脳が子宮や腰の痛みを感じています。人間の脳は複雑な制御を受けているため、この「痛みの信号」をどう捉えるかによって感じ方は大きく変わります。恐怖や不安は「痛みの信号」を増幅し、喜びや自信、落ち着きは「痛みの信号」を小さくしてくれます。

硬膜外無痛分娩とは

陣痛の大切さは理解できたが、やはりお産の痛みは和らげてほしい。これは多くの女性の偽らざる気持ちだと思います。欧米では大部分の出産に何らかの痛み止めが使用されており、その中で最も安全で効果的な方法が硬膜外無痛分娩といわれています。

陣痛や産道が拡がる痛みは脊髄の神経を介して脳に伝わると説明しましたが、麻酔で脊髄の神経をブロックし「痛みの信号」が伝わらなくすることで脳は痛みを感じなくなります。

カテーテル(細く柔らかなチューブ)を背中の皮膚から背骨の間をすり抜けて、硬膜外腔(脊髄神経の近くのスペース)に留置します。分娩の進行している間、カテーテルから麻酔薬を徐々に注入することで痛みを和らげていきます。全身麻酔のように眠ってしまうわけではなく、多少腰から下の感覚は鈍くなるかもしれませんが、足も手も動かすことができ、意識もはっきりしているため、自然分娩と同じように赤ちゃんを迎えることができます。

麻酔で完全に脊髄の神経をブロックしてしまうと、痛みを全く感じなくできますが、同時に運動神経も伝わらなくなり陣痛は止まってしまいます。こうなると肝心のお産ができません。無痛分娩と説明していますが、この麻酔の目的は手術麻酔のような痛みの完全除去ではなく、あくまでお産を無事終えることです。お産を前提とした痛みの緩和であり、無痛ではなく“和痛”となります。痛みの感じ方は個人差があり、画一的な痛みのコントロールは困難ですが、本来の痛みを100とすると10~20位の痛みに誘導します。“少し痛いけれど我慢できる”、“赤ちゃんのことを考えながら落ち着いていきめる“程度のコントロールを目指していきます。

自然の陣痛でお産は進むことが多いのですが、麻酔の効果が強くなると陣痛が弱まり、途中で陣痛促進が必要な場合や、いきみができずに吸引分娩を要するケースが自然分娩よりは多くなることがあります。赤ちゃんへ麻酔の影響はほとんどないといわれています。

当院での無痛分娩について

無痛分娩にはリスクも伴うため、あらかじめ医師の説明をお聞きになり、ご本人・ご家族の文書による同意書が必要です。

ある程度分娩が進行してから(子宮口4〜5cm開大または本人が痛みに耐えられないとき)に麻酔を開始します。母体と胎児の状態がよいことを確認後、安全のため点滴ルートを確保の上、硬膜外カテーテルを腰から挿入します。分娩台で側臥位になり膝を抱えるような姿勢で背中を突き出し丸まって下さい。好ましい姿勢となるようにスタッフがお手伝いします。

まず背中の皮膚を広く消毒し、清潔野を確保した上で背中に局所麻酔をします。チクッと痛みがしますが、これを過ぎるとそれほど痛みはありません。カテーテルを挿入する麻酔針はやや太いため背中を押されているような感覚はありますが、痛みは感じないはずです。

操作中に急に動いたり、向きを変えられるといろいろなトラブルの元となります。操作中に動きたいとき、痛みやしびれを感じたとき、何かあれば動かず麻酔医におっしゃって下さい。対応させていただきます。

カテーテルが安全に挿入できれば少量の麻酔薬を注入し、血圧や脈拍に変化がないか、効き方の問題がないかを確認します。麻酔を開始すると20分~30分で痛みが和らいでいきます。

安全を第一に考え、酸素投与や人工呼吸も可能な体制で操作を行い、血圧計・パルスオキシメーターなどで母体の観察、胎児心拍のモニタリングで胎児の状態を確認しながら分娩・麻酔管理を行います。

基本的には分娩室もしくは陣痛室での分娩管理となります。お茶や水などの水分はとってもらえますが、それ以外の飲食はできません。

分娩が進行すれば痛みの程度や痛みの場所が変わってきます。必要に応じ麻酔薬の量を加減しながら経過を見ますので、痛みを強く感じるようならお伝え下さい。自然陣痛で分娩は進行しますが、時には陣痛が弱くなり分娩が遷延したり、いきみがわからず赤ちゃんが骨盤内を降りてきにくくなることがあります。陣痛促進を併用したり、吸引分娩により娩出のお手伝いをすることが普通の分娩より多くなる印象はありますが、無痛分娩をすることにより帝王切開が増えるという事はありません。

しっかり気持ちの落ち着いた状態で赤ちゃんを迎えられる方が多く、お母さんの呼吸が安定しているため十分酸素をもらいながらピンク色をした我が子とご対面下さい。分娩後は胎盤娩出と医師の診察・処置が終わった後、麻酔のカテーテルを背中から抜去します。その後の経過は普通のお産後と同様となります。

当院では麻酔専門医が麻酔を担当し、産科医が分娩管理を担当する体制で無痛分娩を行っています。自然陣痛開始時の無痛分娩をお勧めしていますが、予定日は決まっていても陣痛がいつ起こるかはわかりません。残念ながら麻酔医不在の日程もございますので、確実に麻酔分娩が必要(無痛分娩以外は考えていない)という方には、子宮口や分娩の準備状況を見ながら計画分娩での無痛分娩も対応を考えていきます。計画分娩には頚管拡張や陣痛誘発の必要が生じるため、ご希望の方は診察時に医師にご相談下さい。

硬膜外無痛分娩の利点

  1. 痛みを和らげることで分娩への恐怖感や過度の緊張、パニックを避けることができる。
  2. 無駄な骨盤底筋群の緊張がないため分娩の進行がスムーズ。
  3. 母体の呼吸が安定するため胎児へのストレスが少ない。
  4. 過度の痛みに伴う全身の緊張が少なく母体の分娩ダメージが少ない。
  5. 高齢出産など産道が硬い(軟産道が拡がりにくい)場合、筋肉の弛緩効果が期待できる。
  6. 出産直後の傷の痛みや後陣痛を軽減できる
  7. 心疾患や肺の病気で過呼吸が危険、妊娠高血圧症など血圧の上昇がよくないときなど妊婦の合併症がある場合のコントロールに適している。  など

硬膜外無痛分娩の危険性、合併症、問題点

1.手術麻酔のように痛みを完全になくす無痛ではなく、痛みを和らげる和痛である点

あくまでお産が目的であり、娩出力を残しながら痛みのコントロールする必要あり。本来の痛みを100とすると10~20位の痛みに誘導しますが、分娩中全く痛みがないわけではありません。痛みの感じ方には個人差があります。

2.麻酔に伴うリスク
  1. 局所麻酔薬中毒:カテーテルを挿入する硬膜外腔付近には多くの血管があり、血管内に麻酔薬が入ってしまった場合起こることがあります。耳鳴り、舌のしびれ、口のまわりの違和感、金属味、などの自覚症状があればお知らせ下さい。さらに局所麻酔薬の血中濃度が上がると痙攣や不整脈、心停止に至る可能性があり、直ちに治療薬の投与や人工呼吸などの慎重な対応が必要です。
  2. 全脊髄くも膜下麻酔:カテーテルが硬膜外腔より奥のくも膜下腔に入り、麻酔が上半身まで拡がりすぎると、急激に血圧が低下したり、意識消失、呼吸障害など重篤な全身状態を引き起こす場合があります。通常の硬膜外麻酔では一時的に足がぬくくなったり、だるくしびれることはありますが、足が全く動かなくなることはありません。少し気分が悪くなることもありますが呼吸ができなくなったり、意識が遠のくこともありません。くちびるや舌がしびれる、呼吸ができない、意識が遠のく、足が動かないなどの症状があればすぐにお知らせ下さい。
  3. 硬膜穿刺後頭痛:カテーテル挿入中に硬膜に傷がつくと、分娩後強い頭痛を感じることがあります。数日の安静や鎮痛剤の内服で改善するケースがほとんどです。まれに症状が長引くときにも対処法はありますので、気になればお知らせ下さい。
  4. 血腫形成などによる神経圧迫、麻痺:カテーテル挿入操作中にあなたが急に動いてしまうと血管を損傷し血の塊(血腫)ができてしまうことがあります。数万人に一人と稀ですが、血腫や膿が神経を圧迫し続けると神経麻痺を引きおこす可能性があります。この場合は高次施設へ紹介し早期に手術で血腫を取り除かねばなりません。
  5. 硬膜外麻酔を受けられないケース:
    • 血の固まりにくい体質の方、血栓を予防する薬を服用・治療中の方。
    • 大量出血の場合や著しい脱水状態の方
    • 背骨の変形や脊髄神経に病変のある方
    • 高熱の方、穿刺部や全身性の感染症がある方
    • 局所麻酔薬のアレルギーのある方
3.麻酔することで時々起こる症状
  • 足の感覚が鈍くなる、やや力が入りにくい:痛みを和らげたい背中の神経近くには足の感覚や運動を司る神経も存在します。順調な硬膜外麻酔でもこのように感じることはありますが、足は動かせます。全く足が動かないようならすぐにお知らせ下さい。
  • 低血圧:麻酔によって血管が拡張し一時的に血圧が下がることがあります。麻酔開始後は自動血圧計などにより慎重の観察しますが、気分不良などの場合はお知らせ下さい。
  • かゆみ:麻酔に使用する薬によっては一時的にかゆみや吐き気がでる場合があります。
  • 尿が出にくい:背中の神経の近くには膀胱や排尿に関する神経もあるため、一時的に尿意を感じにくかったり、尿が出にくくなることがあります。麻酔中は必要なら導尿などで対応しますが、麻酔をやめればほとんどの場合症状は回復します。
  • 体温上昇:いくつかの可能性が想定されていますが、原因は特定できていません。
4.ご希望があっても対応できない場合

あくまで経腟分娩が可能な方が対象です。麻酔でできる事は痛みのコントロールのみであり、麻酔により難産が急に安産になることはなく、骨盤が狭くて通れないお産も解決できません。胎児仮死や児頭骨盤不均衡、骨盤位など産科的に帝王切開の適応となる方や経腟分娩困難な難産が予測される方は無痛分娩での対応はできません。
また、院内の事情、ご本人の協力が得られない場合、ご家族の同意がない場合、手技的に麻酔の挿入が困難な場合などはご希望に添えません。

5.費用について

無痛分娩の麻酔手技は自費となり通常の分娩費に加え、54000円と薬剤費が必要です。
もし分娩途中で帝王切開となった場合は、保険診療となり手術麻酔の一部として精算しますので自費の手技料負担はなくなります。

帝王切開

多くの皆様は、予定日近く(妊娠38週から41週頃)に子宮頚管の熟化が整い、陣痛が発来して分娩に至ります。母児ともに異常がなければ、自然分娩が望ましいのは言うまでもなく、当院でもできる限り自然分娩を尊重したいと考えています。 しかし、妊娠・分娩の経過によっては母児の安全のため帝王切開術をお勧めする場合もございます。残念ながら、帝王切開術も母児に全く危険がないとは言い切れません。ご本人・ご家族の十分なご理解の下に、皆様の意志も尊重しながら分娩方法を決定したいと考えています。ご不明な点がございましたら、遠慮なくご相談下さい。

帝王切開の適応

帝王切開には妊婦健診の状況、検査などから、陣痛や経腟分娩が適さないと判断した場合に、前もって日程などを計画して行う「選択帝王切開術」と、経腟分娩の経過中に何らかの理由で急遽行われる「緊急帝王切開術」があります。

選択帝王切開術の適応
  1. 瘢痕子宮(前回帝王切開や子宮筋腫の術後など)
  2. 胎児の向きの異常(骨盤位や横位など)
  3. 多胎妊娠(双子や三つ子など)
  4. 胎盤の付着部異常(前置胎盤、低置胎盤)
  5. 胎児の発育遅延、胎児胎盤機能不全
  6. 母体合併症(妊娠高血圧症候群、子宮筋腫合併妊娠など)など
緊急帝王切開術の適応
  1. 胎児機能不全(分娩中に胎児の状況が危険となった場合)
  2. 分娩停止(児頭骨盤不均衡や軟産道強靱でお産が進まない時)
  3. 分娩中の母体異常 など

帝王切開術の方法

麻酔は区域麻酔(腰から麻酔し、お腹の痛みはなくなるが、意識は保たれる脊椎麻酔や硬膜外麻酔)で通常行いますが、超緊急時や母体の状況によっては全身麻酔を選択するケースもあります。
おへその下の皮膚を約10cm縦切開し、子宮は下部の筋層を横切開して赤ちゃんと胎盤を娩出します。腹腔内に異常がないことを確認し、切開創を縫合修復し手術を終えます。区域麻酔の場合は、赤ちゃんの泣き声も聞こえ、手術中にご対面いただけます。

術後の一般的な経過

手術当日は絶食・ベッド上安静ですが、お手伝いしますので積極的に体位変更を行って下さい。術後1日はベッドから足を下ろし、術後食を始めます。術後2日にはトイレ歩行を開始します。硬膜外麻酔のカテーテルを術後2日まで留置し術後の鎮痛を行いますが、痛みが強いときはお知らせ下さい。術後4日からシャワー開始、7日目には全抜鉤し、9日目に退院となります。

帝王切開に関する危険性・合併症など

1.出血

通常の経腟分娩でも平均300ml~500mlの出血が見られます。帝王切開では血流豊富な子宮筋層を切開するため、経腟分娩より200ml~300ml程度出血量は増加します。細心の注意のもと手術を行いますが、まれに大量出血となるケースもあり母体の安全のため輸血が必要となる場合もございます。
また、癒着胎盤や母体の出血傾向など止血困難な特殊なケースでは、母体救命の目的で子宮摘出術を選択せざるを得ない場合ございます(自然分娩でも起こりうる危険性です)。

2.癒着

お腹の中で腸管や膀胱が子宮や腹壁とくっついてしまっていることがあります。慎重に剥がしながら手術を進めていきますが、癒着が強い場合、腸や膀胱に不測の損傷が及ぶ可能性もあります。この場合修復作業が必要となります。

3.赤ちゃんは大丈夫か?

経腟分娩での産道通過中に起こる数時間のストレスに比べると、手術による赤ちゃんのリスクは低くなります。ただし、胎児仮死など手術開始前の状況が悪い場合は、大急ぎで手術を行っても新生児仮死などの可能性も否定できません。 
また、新生児一過性多呼吸や呼吸窮迫症候群など、赤ちゃんの一時的な呼吸の問題は経腟分娩より多く起こることが知られています。

4.次回妊娠に対する注意点

帝王切開後の経腟分娩では、陣痛による子宮破裂のリスクが最も心配されます。帝王切開の理由、手術の経過によっては、次の妊娠で経腟分娩できることもありますが、引き続き帝王切開を選択するケースが多くなっています。

5.帝王切開術を選択しない場合のリスク

母児の安全のため帝王切開術をお勧めしているため、経腟分娩を強行した場合、胎児仮死・胎児死亡・新生児仮死・新生児死亡、母体の合併症増悪、出血増加に伴うショック・DICなどによる生命予後不良の可能性も否定できません。


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