世の中に望まぬ妊娠や性暴力等がある限り、人工妊娠中絶は絶対に避けて通れない重大な問題です。日本では母体保護法に定められた一定の条件下で、母体保護法指定医師が行う人工妊娠中絶を容認していますが、母体の健康を守るため慎重に操作を行っても女性の体や心にダメージを残す可能性も否定できず安易な判断はできません。
当院では妊娠初期(妊娠11週6日まで)の方に静脈麻酔の上、子宮内容除去術(主に手動真空吸引法)での日帰り中絶術を行っていますが、週数・分娩経験の有無・合併症の状況などにより手術の時期や安全な方法を判断する必要があります。人工妊娠中絶をお考えの方はまず受診し、医師にご相談ください。法的には妊娠21週6日までの妊娠中絶が認められていますが、妊娠12週0日以後の中期中絶は入院の上、人工的に陣痛を起こし流産を促すため、母体への負担も大きく当院では対応できません。